Youtube「仏心チャンネル」トップバナー(武田正文様)

1月にも「お坊さんユーチューバー?!YOUTUBE動画の背景素材を制作しました!」で紹介したお坊さんYoutuber・武田正文さんの「武田正文の仏心チャンネル」にて
チャンネルアートを制作しました!

前回は急遽作ったものだったのですが、
今回は時間をかけて、武田さんにも何度もチェックいただき、制作を進めて参りました。
その過程をご紹介いたします。(武田さん、掲載許可ありがとうございます!)
制作過程を通じて、私のほとけさまイラストへの考え方を知っていただいたり、
今、イラストの注文を迷っている方が、より気軽にイラスト注文への一歩を踏み出す手助けとなれば嬉しく思います。

①ラフ第一弾

「動画で話すときの背景に使えて、『Youtubeチャンネル感』のあるもの」というオーダーをいただきました。
第一弾のラフはこちらをご提案しました。

ほとけさまがお茶の間でテレビを見ている、というワンポイントイラストです。
・お茶の間で、ほとけさまと視聴者の方が、いっしょにYoutubeチャンネルをテレビで見ている、という場面を想像して描きました。
・以前、武田さんがTwitterで年齢層の高い方々もチャンネルをご覧になっているというお話をされていたので、その年代の方々が懐かしく感じるような、昭和っぽさの溢れるレトロなお茶の間です。(テレビはもちろんブラウン管…!)
・実際このチャンネルをご覧になるのは、PCやスマホが中心だと思うのですが、「チャンネル」という響きからテレビを連想し、あえてテレビで見るという場面になっています。
・もう少しどこかに「仏教」っぽさを出したいなあと思い、その点も含めて武田さんにご確認いただきました。(よくよく見たら、知っている人はちょっと面白くなる、というポイントを加えるのが、個人的にとても好きなのです!テレビを宝珠にするか、ちゃぶ台を経机にするか…とこのタイミングでは考えていました。)

②ラフ修正

①に対する武田さんのご意見はこちら。
「ご提案のちゃぶ台はこれが可愛いのでいいかなと(^^)」
「何人かのキャラクターが見てる感じにして、スクリーンの枠をこのテレビみたいにできるでしょうか?」
「You Tubeのチャンネルページの上部分も合わせたデザインにしたいのですが…」

前回の時も「楽しくしたい」といったご意見があったので、
レトロ感・ほとけさまとマンツーマンでのお茶の間より、わいわいと楽しい感じを出すのが良いと思い、
ラフの第二弾はこちらになりました。

だいぶワイワイ感がでましたね!
第二弾のテーマは、ほとけさまたちが『「あっ自分が出てる!」「へえ~~」など自由に言いながら、わいわいと見ている』イメージです。
右端のほとけさまは第一弾のままですが、左のほとけさまたちは、子どもになっています。
子どもたちが自分が出ているテレビを見たらどういう反応をするだろう?みんなでテレビを見ていたら、どんな顔をしているだろう?と想像しながら、描きました。
脳内で、ちびっこのほとけさまが駆け回り、テレビを見てニコニコする。描きながら、私もとても幸せな気分になりました。
(ほとけさまたちの詳細については後述します)

③清書・色のご提案

ラフにOKをいただきましたので、清書に入りました。
できたのがこちら。3パターンのカラーでご提案しました。

左(緑テレビ):一番ポップでカラフルな色使いです。明るく元気よく、子どもも楽しく見ている感じが出ます。
中央(オレンジテレビ):左を少し落ち着いた色合いにしたものです。淡くてかわらしい印象を与えます。
右(黄色テレビ):緑・青を中心とした爽やかなイメージです。落ち着いた印象になります。

私の仏像イラストは基本的に、実際の配色をあまり考えずに雰囲気に合ったカラフルな色をのせています。
今回もそれを踏襲したうえで、武田さんのチャンネルに合うような色を検討しました。
※ただし「不動明王の肌の色が青」というのは外せない条件なので、青系統の色が必ず入るという条件付きです。

背景は「ヱ霞(えがすみ)」という文様です。
時間経過や遠近感を表す文様であることから、いつでもどこでも繋がることができるというネットの特性への繋がりを感じ、
また、雲というところから単純に「空の上にいらっしゃるほとけさまたちの世界」をイメージして、この文様を選びました。

④各種データを納品

武田さんが選んだのは右(黄色テレビ)でした。
このデータを、チャンネルアート用、背景合成用、タイトル用の3種類のサイズで納品しました。
実際に使っていただけたのがこちら。(2020年3月時点)

登場してもらうほとけさまたちについて

実は、どのほとけさまを描くかで少し悩みました。
「武田さんは浄土真宗の僧侶である」ということを念頭に、

(左から)
・誕生仏(お釈迦様):お釈迦様が生まれたときのお姿。
・阿難陀:お釈迦様の十大弟子のひとり。
・観音菩薩:阿弥陀さまの左脇侍。様々な姿になって人々を救う。
・勢至菩薩:阿弥陀さまの右脇侍。知恵の力で人々を救う。
・薬師如来:阿弥陀如来(西)の反対側・東方瑠璃光浄土に住む。
・不動明王:五大明王の筆頭。(明王から一人入れたかった)
・梵天:お釈迦様が悟りを開いた際に、その教えを広めるよう勧めた(参考
・阿弥陀如来:浄土真宗のご本尊。西方極楽浄土に住む。
※各説明は概略です。ぜひ詳しく調べてみてください!

「仏像」というだけで考えれば、見栄えがしたり、ビジュアルが有名だったりという仏像さまが多数いらっしゃいます。
しかし、武田さんはお寺の僧侶であり、仏教の教えを広める立場です。
いかにわかりやすいビジュアルであっても、浄土真宗の教えに沿ったものでなければ意味はないと考え、
上記の仏様8体を選びました。
ラフの際に、武田さんにご確認をいただきましたが、
「浄土真宗的に完璧です!」という一言をいただくことができました!

正直なところ、仏教については私もまだまだ勉強中です。
どのほとけさまがどんな宗派でどんな役割をされているか、どんなお経に登場してどんな教えを説かれているか、
それを調べるのが、楽しいこと楽しいこと!!!
ぜひとも、こういったお仕事に関わっていきたいと感じております。
※カワモトは、宗派を問わず広く仏教を応援しています!

武田さんの動画にて、カワモトをご紹介いただきました。

恐れ多いことに、「仏教とアート」という動画の中で、
私カワモトをご紹介いただきました。

仏教とアートの関りは、とても興味深い内容となっています。
仏教が登場するマンガやドラマもご紹介されています。私もいくつか知っていますが、とても面白いですよ!

最後に

仏教・仏像以外のお仕事が続いていたタイミングでお話しをいただけたので、ほとけさま一人一人を調べたり、描いたりというのが、とても楽しかったです。
これからも、仏像特化のイラストレーターとして活動してまいりますので、
寺社関係者の方々、あるいは観光・レジャー誌の出版・編集社の方々からのお仕事、心よりお待ち申し上げております。
どうぞ宜しくお願いいたします。